寛ぎブログ

2026.10.24更新

東洋医学・経絡とツボの物語

胃経 参拾漆
上巨虚(じょうこきょ)

便秘・下痢・過敏性腸症候群と大腸の働き

足陽明胃経 ST37 / SHANGJUXU

何日も便が出ず、 お腹が張って苦しい。

反対に、朝になると 急にお腹が痛くなり、 何度もトイレへ行きたくなる。

大切な予定がある日に限って、 便通が不安定になる。

便秘と下痢を繰り返し、 何を食べればよいのか わからなくなる。

こうした腸の不調は、 日常生活に大きな影響を与えます。

大腸の役割は、 単に便をためることではありません。

水分を吸収し、 腸の筋肉を動かして便を運び、 腸内細菌などと関わりながら、 排便を調整しています。

今回ご紹介する 上巨虚(じょうこきょ)は、 足陽明胃経の第37穴です。

伝統医学では、 大腸の下合穴として 重要視されてきました。

今回はこの経穴を入り口に、 便秘と下痢が起こる仕組み、 過敏性腸症候群、 腸内細菌、脳腸相関、 東洋医学の考え方を 詳しく解説します。

一、上巨虚とはどんなツボ?

上巨虚は「じょうこきょ」と読み、 国際的な経穴番号では ST37と表記されます。

足陽明胃経45穴のうち、 第37番目の経穴です。

「上」は上方、 「巨」は大きいこと、 「虚」はくぼみや空間を 意味すると解釈されます。

下腿の骨や筋肉によって 形成される領域と関連づけられた 経穴名です。

この経穴の大きな特徴は、 胃経に所属しながら、 大腸の下合穴に分類されることです。

上巨虚の基本情報
  • 名称:上巨虚(じょうこきょ)
  • 経穴番号:ST37
  • 所属:足陽明胃経
  • 胃経45穴の第37穴
  • 特別な分類:大腸の下合穴
  • 位置:下腿前外側
  • 犢鼻(ST35)の下方6寸
  • 足三里(ST36)の下方3寸
  • 脛骨前縁の外方、指幅1本分
  • 次の経穴:条口(ST38)

二、上巨虚の正確な場所は?

上巨虚は、 膝の下に位置する経穴です。

犢鼻(ST35)から 下方6寸の位置にあります。

前回の足三里(ST36)からは さらに下方3寸です。

すねの骨である脛骨の 前縁から外側へ 指幅1本分ほどの場所です。

この周辺には、 前脛骨筋が存在します。

なお、経穴位置で用いる「寸」は、 身体の部位に応じた 相対的な尺度です。

通常のセンチメートルと 単純に置き換えることはできません。

犢鼻(ST35)― 膝の前外側↓ 足三里(ST36)― 犢鼻の下方3寸 ↓ 上巨虚(ST37)― 犢鼻の下方6寸 ↓ 条口(ST38)― 犢鼻の下方8寸 ↓下巨虚(ST39)― 犢鼻の下方9寸

三、上巨虚の周囲の解剖学

上巨虚の周囲には、 皮膚、皮下組織、 筋膜、前脛骨筋などがあります。

① 前脛骨筋

前脛骨筋は、 すねの前外側に位置する筋肉です。

足首を反らせる背屈運動や、 歩行中につま先を 持ち上げる動作に関わります。

② 深腓骨神経

下腿前面の深部には 深腓骨神経が走行しています。

足首や足指を動かす筋肉に 関係する神経です。

③ 前脛骨動脈

前脛骨動脈は、 下腿前面の深部にある血管です。

不適切な刺鍼によって 神経や血管が損傷する 可能性があります。

上巨虚への自己刺鍼は避けてください

上巨虚の深部には 神経や血管があります。

自分で鍼を刺したり、 痛みを我慢して 強く押し込んだりしないでください。

四、下合穴(げごうけつ)とは?

下合穴は、 伝統医学における 特別な経穴分類の一つです。

六腑に関係する経穴が、 主に下肢に配当されています。

上巨虚は、そのうち 大腸の下合穴 として位置づけられています。

前回の足三里は 胃の下合穴でした。

このように、 下肢の経穴が腹部の臓腑と 関連づけられてきたことは、 伝統医学の特徴の一つです。

足三里(ST36)

胃の下合穴

胃腸の症状や養生と伝統的に関連

上巨虚(ST37)

大腸の下合穴

便秘・下痢・腹痛などと伝統的に関連

ただし、下合穴という分類は 現代医学的な治療効果を 証明するものではありません。

五、胃経なのになぜ大腸のツボ?

上巨虚は、 足陽明胃経に所属しています。

しかし伝統医学では、 大腸の下合穴とされています。

これは十二経絡と 六腑の下合穴という 二つの分類体系が 重なっているためです。

東洋医学では、 大腸と胃の働きを 経絡や臓腑の理論から 関連づけて考えます。

ただし、上巨虚から 大腸へ直接つながる 専用の神経や管が 存在するわけではありません。

伝統医学の経絡と、 解剖学上の神経・血管は 区別して理解する必要があります。

六、大腸は何をしている臓器?

大腸は消化管の一部であり、 小腸から送られてきた内容物を 受け取ります。

主な働きには、 水分や電解質の吸収、 便の形成と運搬、 排便の準備などがあります。

大腸には多くの 腸内微生物が存在し、 食物繊維などの成分の分解にも 関わっています。

大腸は単なる 便の通り道ではありません。

大腸の主な働き
  • 水分や電解質の吸収
  • 便の形成
  • 便の移動と貯留
  • 腸内微生物との相互作用
  • 排便に向けた運動の調節

七、腸の蠕動運動とは?

腸の壁には、 平滑筋という筋肉があります。

この筋肉が収縮することで、 腸の内容物が移動します。

こうした運動の一つが 蠕動運動です。

大腸では、 内容物を混ぜる運動や、 便を肛門方向へ移動させる 運動が起こります。

腸の動きは、 腸管神経系、自律神経、 消化管ホルモンなどによって 調節されています。

ただし、便秘は 蠕動運動が弱いことだけで 起こるわけではありません。

八、便秘はなぜ起こる?

便秘には、 便が出る回数の減少だけでなく、 便が硬い、 強くいきまないと出ない、 残便感があるといった症状も含まれます。

原因は一つではありません。

  • 大腸内での便の移動が遅い
  • 排便時の骨盤底筋の協調の問題
  • 食物繊維や水分の摂取不足
  • 身体活動の低下
  • 一部の薬の影響
  • 糖尿病や甲状腺疾患
  • 過敏性腸症候群
  • 腸の閉塞や器質的疾患

便秘だからといって、 必ず腸の動きが遅いとは限りません。

九、排便には骨盤底筋も関係する

便を排出するときには、 大腸や直腸の働きだけでなく、 肛門周囲の筋肉が 適切に協調する必要があります。

排便時に十分な弛緩が 起こりにくい場合、 便を出しにくくなる ことがあります。

こうした状態では、 一般的な便秘薬だけでなく、 排便機能の評価や 専門的な訓練が 検討される場合があります。

単にお腹を揉めば 改善するという ものではありません。

十、下痢はなぜ起こる?

下痢とは、 水分の多い便が 頻繁に出る状態です。

原因には、 腸管の感染症、 食物不耐症、 薬の副作用、 炎症性腸疾患などがあります。

大腸での水分吸収や 腸管内への水分分泌、 腸の運動などが 複雑に関係しています。

急性の下痢では、 脱水や電解質の異常にも 注意が必要です。

特に高齢者や乳幼児、 持病のある方では、 症状が重くなる場合があります。

十一、便秘と下痢はなぜ反対になる?

便秘

便が硬い、出にくい、 排便回数が少ないなどの 症状が現れます。

腸管通過時間や 排便機能などが関係します。

下痢

水分の多い便が 何度も出る状態です。

水分吸収・分泌、 感染や炎症などが 関係します。

このように、 便秘と下痢は異なる症状ですが、 大腸の運動や 水分調節という共通の仕組みが 関係しています。

また、一人の方に 便秘と下痢が 交互に起こる場合もあります。

ただし、強い便秘の際に 水様便だけが漏れる 溢流性下痢などもあるため、 自己判断は避けましょう。

十二、過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群は、 英語でIrritable Bowel Syndrome、 略してIBSと呼ばれます。

腹痛と排便習慣の変化を 主な特徴とする 慢性的な病態です。

便秘、下痢、 あるいは両方が 起こる場合があります。

また、腹部膨満感や 残便感などを伴うこともあります。

通常の検査で明らかな損傷が 見つからなくても、 症状が存在する病気です。

単なる気のせいや 精神的な弱さではありません。

十三、IBSにはどんな種類がある?

IBSは、便の性状などによって 複数のタイプに分類されます。

IBS-C

便秘型

硬い便や排便困難が目立ちます。

IBS-D

下痢型

軟便や水様便が目立ちます。

IBS-M

混合型

硬い便と軟便の両方がみられます。

IBS-U

分類不能型

他の分類に当てはまりません。

ただし、便秘や下痢があるだけで IBSと診断できるわけではありません。

症状の経過を確認し、 必要に応じてほかの病気を 評価することが重要です。

十四、脳腸相関とは?

脳と腸の間では、 神経やホルモン、 免疫系などを介して 情報がやり取りされています。

この関係は 脳腸相関と呼ばれます。

腸には独自の神経系があり、 脳や自律神経と 相互に影響し合っています。

IBSでは、 腸の運動や内臓の感覚、 脳と腸の情報処理などが 症状に関わると考えられています。

緊張する場面で 腹痛や便意が強くなることも、 こうした仕組みと 関係する可能性があります。

ただし、ストレスだけが IBSの原因というわけではありません。

十五、腸内細菌は何をしている?

私たちの腸には、 多種多様な微生物が存在しています。

これらをまとめて 腸内細菌叢、あるいは 腸内マイクロバイオータと呼びます。

腸内細菌は、 消化されにくい食品成分の 分解などに関わっています。

食物繊維の一部が 腸内細菌によって発酵されると、 短鎖脂肪酸などが つくられます。

これらは大腸の細胞や 身体の代謝などに 関係しています。

ただし、腸内細菌の種類だけで 健康状態やIBSの原因を 確定できるわけではありません。

十六、腸内環境を整えればIBSは治る?

腸内細菌と健康の関係は、 現在も研究が進められている分野です。

一部のプロバイオティクスは、 症状の改善に役立つ可能性が 研究されています。

しかし、菌の種類や 対象となる人によって 結果は異なります。

乳酸菌を取れば すべてのIBSが治る、 という十分な根拠はありません。

また、特定の食品を 大量に摂取すれば 腸内細菌が理想的な状態になる というものでもありません。

十七、低FODMAP食とは?

IBSでは、 食事の工夫が 症状の改善に役立つ場合があります。

その一つが 低FODMAP食です。

FODMAPとは、 小腸で吸収されにくく、 腸内で発酵しやすい 特定の糖質などをまとめた言葉です。

これらの食品成分は、 一部の方でガスや腹部膨満、 腹痛などに関係する場合があります。

ただし、 低FODMAP食は すべての方に必要な食事法ではありません。

また、厳しい制限を 長期間続けるものでもありません。

低FODMAP食を考えるときの注意
  • IBSの症状によって適応が異なる
  • 最初から多くの食品を自己判断で除外しない
  • 制限期間の後に食品を再導入する段階が重要
  • 必要に応じて管理栄養士などに相談する
  • 栄養不足や食事への過度な不安を避ける

十八、食物繊維は多ければ多いほどよい?

食物繊維は、 排便や腸の健康に 重要な栄養成分です。

しかし、種類によって 身体への影響が異なります。

一部の水溶性食物繊維は、 便秘やIBSの症状管理に 役立つ場合があります。

一方、急に食物繊維を 大量に増やすことで、 ガスや腹部膨満感が 強くなる方もいます。

大切なのは量だけでなく、 種類と身体の反応です。

持病や症状に応じて 適切な食事を考えましょう。

十九、便通を整える生活習慣

便秘やIBSの症状には、 生活習慣の工夫が 役立つ場合があります。

① 排便のリズムを確認する

便意があるときに、 無理なくトイレへ行く 習慣を考えましょう。

ただし、長時間強く いきみ続けることは 避けてください。

② 適切な水分摂取

水分不足は、 便秘の一因となる場合があります。

一方、飲水量を 必要以上に増やせば 必ず便秘が改善するわけではありません。

③ 無理のない身体活動

歩行などの身体活動は、 全身の健康維持に重要です。

運動の強さは 体調や持病に合わせましょう。

④ 睡眠とストレスへの対応

睡眠や心理的な負担は、 腸の症状と 関連する場合があります。

生活リズムを整えることも 症状管理の一つです。

二十、便通日誌をつけてみよう

便秘や下痢が続く場合は、 便通の状態を記録すると 役立つことがあります。

便通日誌の記録項目
  • 排便した日時
  • 便の硬さ・形状
  • 腹痛の有無
  • 排便前後の症状
  • 下痢や便秘の頻度
  • 食事との関係
  • 服用した薬
  • 血便や発熱の有無

便の形状を記録するときは、 ブリストル便形状スケールが 参考になる場合があります。

二十一、IBSと似た症状の病気

慢性的な腹痛、 便秘、下痢などがあっても、 必ずIBSとは限りません。

似た症状が現れる病気には、 次のようなものがあります。

  • 炎症性腸疾患
  • 大腸がんなどの器質的疾患
  • 感染性腸炎
  • セリアック病などの吸収障害
  • 甲状腺疾患
  • 薬剤による便通異常
  • 大腸憩室に関係する病気

特に血便や 原因不明の体重減少、 貧血などがある場合は、 ほかの病気を確認することが重要です。

二十二、古典では上巨虚を何に用いた?

上巨虚は伝統的な鍼灸において、 大腸に関係する症状と 関連づけられてきました。

古典的な使用例には、 次のようなものがあります。

  • 腹痛
  • 腹部膨満
  • 便秘
  • 下痢
  • 腹鳴
  • 赤痢などに関する伝統的な記載
  • 下肢の痛みや運動障害

東洋医学では、 「調理腸胃」 「清熱利湿」 「疏通経絡」などの 考え方で説明されます。

これらは、 腸胃の働きを整える、 湿熱という伝統的な病態を考える、 経絡の滞りを整える、 といった意味です。

ただし、伝統医学の「湿熱」は、 現代医学における 細菌感染や炎症と 完全に一致する概念ではありません。

二十三、上巨虚への鍼灸に科学的根拠はある?

過敏性腸症候群などに対しては、 鍼灸を用いた臨床研究が 行われています。

上巨虚を含む 複数の経穴を使用した 研究計画や臨床研究もあります。

しかし、 研究に上巨虚が含まれていることだけで、 上巨虚一穴の効果を 証明することはできません。

IBSに対する鍼灸研究の評価

米国のNCCIHは、 IBSに対する鍼灸の研究結果は 一貫していないと説明しています。

2021年の系統的レビューでは、 24研究、計3,220人を対象とした 研究が分析されました。

一部の薬物療法と比較した研究では、 鍼灸に有利な結果も報告されています。

一方、 偽鍼と比較した研究では、 IBS症状の改善について 明確な優位性は確認されませんでした。

研究の質や 治療への期待などの影響も 慎重に考える必要があります。

上巨虚(ST37)単独への鍼灸で 便秘、下痢、IBSが治るという 十分に確立した臨床的根拠はありません。

二十四、腸内細菌と鍼灸の研究

鍼灸と腸内細菌の関係も、 研究対象の一つとなっています。

動物実験などでは、 電気鍼刺激と 腸内細菌叢の変化を 調べた報告があります。

しかし、腸内細菌に変化が見られたことは、 病気の治療効果が証明されたことと 同じではありません。

また、 腸内細菌の構成が変化する理由や、 その変化が症状改善の原因なのか 結果なのかについても 慎重な検討が必要です。

上巨虚を刺激すれば 腸内環境が必ず整うとは 断定できません。

二十五、こんな腹痛・便通異常は受診を優先

医療機関で確認したい症状
  • 便秘や下痢が長く続く
  • 以前と排便習慣が大きく変わった
  • 腹痛が繰り返し起こる
  • 血便がある
  • 原因不明の体重減少
  • 貧血を指摘された
  • 夜間に腹痛や下痢で目が覚める
  • 大腸がんなどの家族歴がある

IBS以外の病気についても、 必要な評価が重要です。

緊急対応が必要な症状
  • 突然の激しい腹痛
  • 腹部の強い張りと繰り返す嘔吐
  • 便やガスが出ず、強い腹痛がある
  • 大量の血便や失神
  • 意識障害や重い脱水が疑われる

腸閉塞、消化管出血、 重い感染症などの 可能性があります。

速やかに救急医療を受けてください。 激痛・失神・意識障害などがあれば 119番へ連絡してください。

ツボ押しや鍼灸で 様子を見ることは避けてください。

二十六、上巨虚への施術と安全性

上巨虚の周囲には、 前脛骨筋や神経、 血管などが存在します。

不適切な刺鍼によって 出血、神経損傷、感染などが 起こる可能性があります。

また、腹痛や便通異常には 医学的な検査が必要な場合があります。

上巨虚の安全上の注意
  • 自分で鍼を刺さない
  • 強い痛みを我慢して押さない
  • 皮膚に傷や感染がある場合は刺激しない
  • 脚の急な腫れや痛みがある場合は揉まない
  • 急な強い腹痛では医学的評価を優先する
  • 抗凝固薬の服用や出血傾向を施術者へ伝える

二十七、鍼灸治療院 寛ぎの施術方針

鍼灸治療院 寛ぎでは、 症状のある場所だけでなく、 身体全体の状態を確認することを 大切にしています。

便秘、下痢、腹部膨満などについて ご相談を受けた場合には、 まず症状の経過や 医療機関での診断・治療状況を 確認します。

必要に応じて、 次のようなことを伺います。

  • 便秘・下痢の始まった時期
  • 排便の回数と便の性状
  • 腹痛の位置と強さ
  • 排便前後の症状の変化
  • 食事との関係
  • 血便や発熱の有無
  • 体重の変化
  • 大腸疾患の病歴
  • 服用中の薬
  • 睡眠やストレスの状態
  • 食物繊維や水分の摂取状況
  • 医療機関での検査結果

そのうえで、 気血・陰陽・臓腑・経絡など 東洋医学的な視点からも 身体の状態を考えます。

ただし、東洋医学的な問診だけで、 過敏性腸症候群、 炎症性腸疾患、 大腸がん、 腸閉塞などを 医学的に診断・除外することはできません。

必要な医療機関での診療を優先し、 鍼灸の適応を慎重に判断します。

上巨虚への直接的な刺鍼を 必ず行うものではありません。

当院の全身鍼灸

調和陰陽・疏通経絡・調整臓腑

気血・経絡・臓腑・陰陽の状態を確認し、 身体全体を東洋医学的な視点から 整えることを目指す施術です。

施術時間:90分程度
料金:11,000円(税込)
美顔鍼付き

※体調、症状、安全性、 医療機関での診療状況に応じて 施術内容を判断します。 上巨虚への刺鍼を必ず行うものではありません。

※IBS、便秘、下痢、 その他の消化器疾患の 改善や治癒を保証するものではありません。

二十八、まとめ ― 便秘と下痢の背景にある腸の働き

上巨虚は、 足陽明胃経の第37穴です。

足三里の下方3寸、 すねの骨の前縁から 外側へ指幅1本分ほどの 位置にあります。

この経穴は、 伝統医学では 大腸の下合穴とされています。

古くから便秘、 下痢、腹痛、 腹部膨満などと 関連づけられてきました。

一方、現代医学では、 便秘や下痢には 大腸の運動、 水分吸収、 骨盤底筋、 腸内細菌など 複数の仕組みが関係しています。

過敏性腸症候群では、 腹痛と便通の変化が 重要な特徴となります。

また、腸内細菌や 脳腸相関も 研究が進んでいる分野です。

ただし、上巨虚への刺激によって IBSや腸内環境が必ず改善する という根拠は確立していません。

大切なのは、 便秘と下痢を単純に 「腸の動きが悪い」 と決めつけず、 原因を正しく理解することです。

鍼灸治療院 寛ぎでは、 東洋医学の伝統と 現代医学の知見を尊重し、 安全性を重視しながら 身体全体を見つめる施術を 心がけています。

ACUPUNCTURE CLINIC KUTSUROGI

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※激しい腹痛、血便、 強い腹部膨満や繰り返す嘔吐などがある場合は、 鍼灸の予約より医療機関での診療を 優先してください。

参考資料・医学的情報

1. Master Tung's Acupuncture. Shangjuxu(ST37). 上巨虚の位置と伝統的な主治

2. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases(NIDDK). Irritable Bowel Syndrome. IBSの症状・原因・診断・治療

3. NIDDK. Symptoms & Causes of Constipation. 便秘の症状と原因

4. NIDDK. Symptoms & Causes of Diarrhea. 下痢の症状と原因

5. NIDDK. Treatment for Irritable Bowel Syndrome. IBSの食事・薬物療法・生活習慣

6. National Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH). Irritable Bowel Syndrome: What You Need To Know. IBSに対する鍼灸などの研究評価

7. NCCIH. Acupuncture: Effectiveness and Safety. 鍼灸の科学的根拠と安全性

8. Efficacy of acupuncture based on acupoint combination theory for irritable bowel syndrome: a study protocol for a multicenter randomized controlled trial. 上巨虚を含むIBS研究計画

本記事は一般的な健康情報です。 医学的な診断や治療の代わりにはなりません。 伝統医学上の使用例、 基礎研究、臨床研究の結果を 区別して説明しています。

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