2026.09.05更新

「足先が冷える」

「夕方になると脚が重く感じる」

「なんとなく身体が冷えやすい」

そんなとき、鍼灸やセルフケアでよく使われるツボのひとつがあります。

今回ご紹介するのは、

三陰交(さんいんこう)

というツボです。

三陰交は、鍼灸を受けたことがある方なら、 一度は刺激されたことがあるかもしれないほど有名なツボです。

三陰交はどこにある?

三陰交は、足の内側にあります。

目安としては、 内くるぶしの一番高いところから、指4本分ほど上

そこから、すねの骨の内側の際を探していくと、 押したときに少し敏感に感じる場所があります。

三陰交の探し方

① 内くるぶしの一番高い位置を確認する
② そこから指4本分ほど上へ進む
③ すねの骨の内側の際をゆっくり押して探す

なぜ「三陰交」という名前なの?

東洋医学では、身体の中を「経絡(けいらく)」という流れが巡っていると考えます。

三陰交はその名前の通り、 足を通る3つの陰の経絡が交わる場所とされています。

そのため、昔から身体のさまざまな状態を整える際に よく用いられてきた重要なツボのひとつです。

どんなときに使われる?

三陰交は、鍼灸の現場では身体の状態に合わせて幅広く使われます。

・足先の冷えが気になるとき
・脚のむくみや重だるさが気になるとき
・身体が冷えやすいと感じるとき
・女性の身体のリズムを考えるとき
・疲れがたまり、身体全体を整えたいとき

ただし、 「このツボを押せば必ず症状が良くなる」 というものではありません。

鍼灸では、その日の体調や体質、 他のツボの反応なども確認しながら使う場所を決めていきます。

自宅で押すなら、ゆっくり優しく

セルフケアとして三陰交を刺激するときは、 強く押し込む必要はありません。

親指の腹を当てて、 「気持ちいい」と感じる程度の強さで ゆっくり押してみてください。

5秒ほど押して離す動きを数回繰り返す程度でも十分です。

身体を温めながら行うのもおすすめです。

注意
妊娠中など、身体の状態によっては自己判断で強い刺激を行わない方がよい場合があります。 不安がある場合は、医療機関や鍼灸師などの専門家へご相談ください。

ツボは「点」だけを見るものではありません

足三里、合谷、そして今回の三陰交。

有名なツボにはそれぞれ特徴がありますが、 実際の鍼灸治療では、一つのツボだけを見るわけではありません。

身体全体の状態や、その日の反応を確認しながら、 複数のツボを組み合わせて施術を行います。

ご自身の身体を知るきっかけとして、 まずは身近なツボに触れてみるのもいいかもしれません。

KUTSUROGI BLOG

鍼灸治療院 寛ぎ
院長 原 寛

2026.09.04更新

 

「肩が重い」

「首が張る」

「頭までなんとなくスッキリしない」

「目が疲れると、顔までこわばる」

そんなとき、手にある小さなツボが使われることがあります。

今回ご紹介するのは、

合谷(ごうこく)

というツボです。

鍼灸を受けたことがある方なら、一度は使われたことがあるかもしれません。

とても有名なツボですが、実はただの「肩こりのツボ」ではありません。

東洋医学では、合谷は顔・頭・首・肩など、上半身のさまざまな不調を考えるときに登場する重要なツボです。

合谷はどこにある?

合谷は手の甲にあります。

親指と人差し指の骨が交わるあたり。

反対側の親指で押してみると、

「ズーンと響く」

「ここだけ少し痛い」

という場所が見つかる方も多いです。

ただし、ツボは単純に「この位置」とだけ決めるものではありません。

鍼灸治療では、

骨格
筋肉の張り
圧痛
左右差
身体全体の状態

なども確認しながら取穴します。

なぜ手のツボが肩や顔に関係するの?

ここが東洋医学のおもしろいところです。

「肩が凝っているなら、肩に鍼をすればいい」

と思う方も多いかもしれません。

もちろん、肩周辺に鍼をすることもあります。

でも東洋医学では、身体を部分だけで考えません。

手から腕、肩、首、顔へとつながる**経絡(けいらく)**という考え方があります。

合谷は、

手の陽明大腸経

という経絡上のツボです。

この経絡は、手から腕を通って肩や首、顔の方へとつながっていくと考えられています。

そのため、

「顔まわり」

「頭部」

「首肩」

などの状態を見るときに、手にある合谷が使われることがあります。

合谷=肩こりのツボ、ではない

ネットでは、

「肩こりには合谷」

と紹介されることがあります。

でも、本来はもっと広い視点で使われるツボです。

例えば、

首肩の張り
頭の重さ
目の疲れ
顔まわりの緊張
歯やあご周辺の違和感
上半身のこわばり

などを考えるときにも登場します。

ただし、

症状がある=必ず合谷を使う

というわけではありません。

同じ肩こりでも、原因は人によって違うからです。

同じ肩こりでも、東洋医学では見方が違う

例えば、肩が重いという方でも、

Aさんは長時間のデスクワーク。

Bさんは睡眠不足。

Cさんはストレスが強い。

Dさんは身体が冷えている。

Eさんは疲労がたまっている。

Fさんは胃腸が弱っている。

同じ「肩こり」という言葉でも、

身体の状態はまったく違います。

そのため鍼灸では、

「肩こりだから、このツボ」

ではなく、

「なぜこの人の肩が張っているのか」

を考えます。

ここがとても大切です。

合谷と「気」の巡り

YOJYOでも大切にしている、

という考え方があります。

東洋医学では、気は身体を動かす力や、身体の働きを支えるものとして考えられています。

ストレスや疲労が続くと、

「胸がつかえる」

「ため息が増える」

「肩に力が入る」

「身体が緊張して抜けない」

と感じることがあります。

こうしたとき、東洋医学では気の巡りも見ていきます。

合谷は、身体の巡りを考える際にもよく使われる代表的なツボです。

ストレスが強いと、なぜ肩が上がる?

これは東洋医学だけではなく、日常でも分かりやすい変化です。

緊張すると、

肩が上がる。

歯を食いしばる。

呼吸が浅くなる。

眉間に力が入る。

首が固くなる。

身体は無意識に「守る姿勢」を取ります。

これが毎日続けば、

「肩が凝る」

「頭が重い」

「顔が疲れて見える」

という状態につながることもあります。

だから肩だけを揉むのではなく、

身体全体の緊張をどう減らすか

という視点も重要です。

合谷に鍼をするとどんな感じ?

合谷に鍼をすると、

「ズーン」

「手の奥に響く」

「腕の方まで少し響く」

と感じる方もいます。

こうした鍼特有の感覚を、

得気(とっき)

と呼ぶことがあります。

ただし、強い刺激が良いわけではありません。

鍼灸治療では、

その人に合った刺激量

を調整することが大切です。

刺激に弱い方には、浅く優しく行う場合もあります。

自宅でできる合谷のセルフケア

自宅では、鍼を使う必要はありません。

反対側の親指で合谷をゆっくり押してみましょう。

やり方

親指と人差し指の骨の間を探します。

少し響く場所を見つけます。

5秒ほどゆっくり押します。

ゆっくり離します。

これを数回。

強く押しすぎる必要はありません。

「気持ちいい」くらいの強さで十分です。

合谷を押すだけで全部よくなる?

もちろん、そんなことはありません。

ツボはあくまで身体を整えるためのひとつの方法です。

例えば毎日、

睡眠不足。

長時間スマホ。

ずっと同じ姿勢。

運動不足。

強いストレス。

こうした状態が続いていれば、身体はまた緊張します。

大切なのは、

ツボ+生活

です。

今日からできる「上半身の養生」

合谷を押すだけでなく、こんなことも意識してみてください。

1時間に一度は肩を動かす
スマホを見る姿勢を見直す
深く息を吐く時間を作る
湯船で首肩を温める
睡眠時間を確保する
食いしばりに気づいたら力を抜く

特別なことではありません。

でも、

毎日の小さな積み重ねが身体を変えていきます。

これが養生です。

鍼灸治療院 寛ぎでは「肩だけ」を見ません

肩こりで来院されたとしても、

肩だけ施術して終わるとは限りません。

首。

背中。

腕。

手。

腰。

お腹。

足。

睡眠。

食事。

仕事。

ストレス。

身体全体を見ながら、その人に必要な場所を選びます。

合谷も、その中のひとつです。

今日のツボ
合谷(ごうこく)

場所
手の甲。親指と人差し指の骨が交わる付近。

東洋医学で考える主な領域
顔・頭・首肩・上半身の巡り

こんなとき身体を見るヒントに

首肩が重い
頭がスッキリしない
顔まわりがこわばる
目をよく使う
緊張しやすい
身体に力が入りやすい
身体は、離れた場所でもつながっている。

肩がつらいのに、

手に鍼をする。

初めて見ると、

「なんでそこ?」

と思うかもしれません。

でも東洋医学では、

身体はひとつにつながっている

と考えます。

痛い場所だけを見るのではなく、

その人の身体全体を見ていく。

それが鍼灸治療のおもしろさです。

身体を知る。ツボを知る。整え方を知る。

鍼灸治療院 寛ぎでは、

はり・きゅう・ほぐし・吸い玉

などを組み合わせながら、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術をご提案しています。

2026.09.03更新

「寝ても疲れが取れない」

「食欲が安定しない」

「なんとなく身体が重い」

「以前より疲れやすくなった気がする」

病院へ行くほどではない。

でも、絶好調でもない。

そんな**“なんとなく不調”**を感じることはありませんか?

鍼灸の世界では、痛い場所だけを見るのではなく、

その人の身体全体が今どういう状態なのか

を考えます。

今回ご紹介するのは、そんな身体の土台を考えるときに非常によく登場するツボ。

「足三里(あしさんり)」

です。

足三里はどこにある?

膝のお皿の少し下。

外側から、指4本分ほど下がったところにあります。

すねの骨の外側あたりを触ってみて、

「少し響くな」

「押すと気持ちいいな」

という場所が見つかるかもしれません。

ただし、人によって位置には多少違いがあります。

鍼灸治療では、単純に「ここから何cm」というだけではなく、

骨格・筋肉・圧痛・身体の反応

なども見ながらツボを取ります。

なぜ「足三里」がそんなに有名なのか?

東洋医学にはたくさんのツボがあります。

その中でも足三里は、昔から非常によく使われてきた代表的なツボのひとつです。

東洋医学では、胃腸は単に食べ物を消化する場所というだけではありません。

食べたものから、

身体を動かすためのエネルギー

を作り出す重要な働きを担っていると考えます。

この働きを東洋医学では、

「脾胃(ひい)」

という考え方で捉えます。

東洋医学では「元気」は胃腸から作られる

例えば、

朝ごはんを食べても元気が出ない。

疲れると食欲が落ちる。

逆に、疲れているのに甘いものばかり欲しくなる。

こうした身体の変化を、東洋医学では胃腸の働きだけでなく、

気・血・水の巡り

との関係まで見ていきます。

YOJYOでも大切にしている考え方です。

食べ物を身体に取り込み、

そこから必要なものを作り、

身体の各所へ届ける。

この流れがうまくいかなくなると、

「なんとなく元気が出ない」

という状態として現れることがあります。

「気」が足りない身体

東洋医学には、

気虚(ききょ)

という考え方があります。

簡単にいうと、

身体を動かすエネルギーが不足しているような状態

です。

例えば、

疲れやすい
朝からだるい
食後に眠くなる
声に力が出にくい
動くとすぐ疲れる
胃腸が弱い
風邪を引きやすい

などが重なる場合、東洋医学では「気」の状態も考えます。

もちろん、これだけで体質を決めることはありません。

脈・舌・生活・睡眠・食事・仕事・ストレスなども含めて総合的に見ます。

ここが、

「症状だけを見る」のと「身体全体を見る」ことの違い

です。

足三里は「疲れたから押せばいいツボ」ではありません

ここが結構大事です。

ネットでは、

「疲労には足三里!」

と一言で紹介されることがあります。

でも本来の鍼灸治療は、そんなに単純ではありません。

同じ「疲れた」という人でも、

Aさんは胃腸が弱っている。

Bさんは睡眠不足。

Cさんはストレスが強い。

Dさんは身体が冷えている。

Eさんは働き過ぎている。

原因はそれぞれ違います。

だから、

「この症状なら、このツボ」

だけではなく、

「なぜ今このツボを使うのか」

まで考えるのが鍼灸治療です。

足三里に鍼をするとどう感じる?

鍼を入れると、

「ズーン」

「じわーっ」

「少し重たい」

という独特の感覚を感じる場合があります。

東洋医学では、こうした鍼特有の感覚を

「得気(とっき)」

と呼ぶことがあります。

もちろん全員が同じ感覚になるわけではありません。

刺激量も、その人の身体に合わせて調整します。

お灸との相性もいいツボ

足三里は、お灸でもよく使われるツボです。

お灸は、もぐさの温熱刺激を利用します。

特に、

「冷えやすい」

「疲れると胃腸も弱る」

「身体が冷えると調子が落ちる」

という方では、温める刺激を組み合わせることもあります。

ただし、肌の状態や体質によって適否があります。

自宅でできる「足三里養生」

ご自宅では、まず優しく押す程度で十分です。

やり方

膝下の足三里周辺を、

5秒ほどゆっくり押す

離す

これを数回繰り返します。

「強く押した方が効く」

わけではありません。

痛気持ちいい程度でOKです。

入浴後など身体が温まっている時間もおすすめです。

でも、ツボ以上に大切なのが生活です

足三里を毎日押していても、

睡眠時間が極端に短い。

食事が不規則。

毎日深夜まで仕事。

身体を休ませる時間がない。

これでは身体はなかなか整いません。

東洋医学の面白いところは、

鍼灸だけで身体を変えようとしないこと。

食事。

睡眠。

運動。

季節。

感情。

仕事。

生活リズム。

全部含めて「養生」です。

これはYOJYOでも大切にしている考え方です。

鍼灸治療院 寛ぎでは「痛い場所だけ」を見ません

例えば、

「肩が痛い」

という患者さんが来院されたとしても、

肩だけに鍼をして終わり、

とは限りません。

なぜ肩が張っているのか。

睡眠は取れているか。

胃腸はどうか。

身体は冷えていないか。

仕事の負担は?

ストレスは?

こうした身体全体の状態を見ながら、

その方に必要なツボを組み合わせていきます。

足三里も、その選択肢のひとつです。

今日のツボ
足三里(あしさんり)

場所
膝のお皿の下から指4本ほど下、すねの外側付近

東洋医学で考える主な領域
胃腸・気・身体の土台

こんなとき身体を見るヒントに

なんとなく疲れやすい
胃腸の調子が気になる
食後にだるい
元気が出にくい
身体全体を整えたい
「なんとなく不調」には、理由があるかもしれません。

身体は突然悪くなるだけではありません。

その前に、

「最近疲れやすい」

「食欲が変わった」

「眠りが浅い」

「身体が重い」

という小さな変化が出ていることがあります。

その小さなサインを知ることも、養生の第一歩です。

身体を知れば、整え方が見えてくる。

鍼灸治療院 寛ぎでは、

はり・きゅう・ほぐし・吸い玉

などを組み合わせながら、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術をご提案しています。