はり きゅうは 世界保健機構(WHO)からも効果、効能を認められている伝統医学のひとつ。
はり きゅうについて
身体の特定のツボを刺激するために鍼を身体に刺入、または接触する治療法のことをいいます。 国家資格である「はり師」「きゅう師」が施術の資格を保有しています。
治療に使用されるはりは、髪の毛程度の太さとよく表現されます。鍼の太さは、0.1~0.25ミリ程度の物が良く使用されます。
中国人ははりの得気(はりを刺入したときに得られる感覚)が好きな方が多く、比較的太いはりが使われることが多いです。
日本では痛みに抵抗がある方も多く、比較的細いはり(0.18~0.2ミリ程度のはり)が使用されることが多いです。
東洋医学の考え方を軸に特定のツボ、筋肉に刺激を入れていく施術となります。
お灸はよもぎの葉を細かく加工したもぐさを原料としてお灸が作られます。
もぐさの成分であるチネオールが身体への作用を与える良い成分とされております。
もぐさの温熱作用により身体を整えていきます。
近年では厚生労働省が発足したプロジェクトチームが、従来の西洋医学のみでは対応出来ない、現在に潜む多様な疾患に対して、鍼治療を取り入れた医療を促進するようになってきております。
また、中国、日本などの東洋だけでなくアメリカ、ヨーロッパでは、日本以上に医療現場で活用されており、今では医学の東西という枠組を超えて、人々にとって重要な医療手法としてグローバルに普及している治療手法です。
2000年前の古来中国発祥か
鍼灸の歴史はとても深く、紀元前の中国ではすでに鍼治療が広く流行したという文献があり、約2,000年以上の長い歴史をもっている伝統的な医学です。
現代で使われている漢方薬よりも先に渡来したと伝えられています。
日本には奈良時代に伝来し、庶民に広まったのは、江戸時代と言われています。
明治政府の方針により、西洋医学を推進する事になり、鍼灸治療や漢方薬などを主とする日本古来の医学は下火になります。しかし、その後も世間からの支持が強かったので、はり師やきゅう師は国家資格として、国に認められるようになりました。
戦後に現在のあん摩マッサージ指圧師、はり師きゅう師に関する法律の原型が制定されたため、日本の鍼灸はより科学的根拠が強く要求されるようになりました。それにより、鍼灸の研究が学会レベルで進められるようになりました。
その後日本で独自の伝統医学として発展を遂げ、日本人によりマッチした鍼灸の施術法もいくつか確立されている物もあります。
西洋医学と東洋医学とはり きゅうについて
西洋医学は病気の原因に注目し、その原因を見つけ出し取り除くことで病気をなくす考え方。
それに加え西洋薬による処方により、身体異常のからの回復を考えます。
特に外科的手術は西洋医学の中では最も大きく発展した、最先端の医療技術の進歩ではないでしょうか。
一方で東洋医学は、病気を身体全体のバランスが崩れていることが原因で、身体バランスを自然治癒力により戻すことができれば病気が治るという考え方を元に治療法が決められます。
考え方の土台のひとつに「気・血・水」があります。この3つのバランスが保たれている状態が良い健康状態であるとされ、気・血・水のバランスが乱れたとき、身体に不調が表れやすくなるという考え方です。鍼灸では、身体のツボを症状に応じて使い分けて治療していきます。
「気」
体内を流れるエネルギーのことを指します。「気」は、元気や気力という意味があります。
「血」
体内の血液を指します。血液が全身を循環することで、身体全体に栄養を運び、潤いを与えます。
「水」
体内を流れる血液以外のリンパ液や水分のことを指します。各種臓器をスムーズに動かすための潤滑油のような働きや消化や排泄にも影響を与えます。
これらの「気・血 水」が体内をめぐるための通路を「経路」と呼びます。これが鍼治療の指標になっている「経穴(ツボ)」の経路になるという考え方。経絡が滞るのを防いだり、滞った経絡を改善するために、経絡各所にある「経穴(ツボ)」に鍼灸を施すことで「気・血 水」の巡りを良くすることが鍼灸治療の最大の目的となります。
病気にかかってしまったら西洋医学の方法で、病気になる前の予防としての役割に対して東洋医学の方法で。身体を整えていくという使い分けも大切だと考えております。
はり きゅうは東洋医学の中の一つの治療法であります。漢方薬、あんま指圧マッサージ、吸い玉 カッピングなど古来から続く伝統的な医学が、今も変わらず世の中に広く普及されているという歴史的背景からも、身体にとって良い作用を与えられる手技療法だと私も思っております。
はり きゅうの身体作用について
はりの身体作用のメカニズムはすべてが明らかになっているわけではありません。鍼灸治療は臨床と研究が重ねられ、ある程度の作用の仕組みについてのエビデンス(根拠)を示せるデータ、結果も多く集められております。
コリの緩和、痛みの軽減、関節痛、頭痛の緩和、顔面神経麻痺へのアプローチ等明らかな症状に対しての施術作用は良い結果を生み出しています。
それから内傷性の問題に対しても東洋医学的観点からのアプローチ(ツボを捉えた刺激)による内臓機能、血管機能に対しての作用にも効果的なデータもでてきており、更なる身体への必要性も求められていくでしょう。
身体の痛みやコリ、疲労に対して緩和させていくはり きゅう
内臓機能の安定を持続させていくためのはり きゅう
外的要因に対してのケアと内的要因に対してのケアに、良い影響を与える手技だと捉えて頂けると良いかと思います。
身体機能調整作用
組織や期間の機能を回復させる作用が、症状により異なる働き方で起こることがわかっています。
・疼痛やけいれんなど→鎮静作用により、機能が異常に高まっている状態を抑える働きをする
・痺れ、運動麻痺といった神経や臓器の機能低下→興奮作用により働きを活発にする
症状が起きている患部と健康な部分を使い分けることで、下記のような作用が働くと考えられています。
・肩こり、筋肉痛、動脈硬化など→血管を拡張させ、血行を促す働きが起きる
・関節炎などの炎症→患部に集まっている血液を健康な部分に移動させることで、炎症を鎮める作用が起こる
免疫力の活性化作用
内臓機能を活性化させ、身体の巡りを促していく事で、生体防御機能が高まり、身体の免疫機能を活性化させる働きをすると考えられています。 また、血行促進作用、生体機能調整作用によりガンや感染症にかかりにくい体質づくりにも役立つと考えられています。
世界的に普及するはり きゅう
民間療法として定着していった鍼治療ですが、第二次世界大戦後のここ数十年の間に鍼治療も含めた伝統的な医学は世界へと普及していきました。現在では世界中で研究と実践が行われ、普遍的な存在へと変化しています。
1979年には、WHOは鍼灸治療の適応疾患を43疾患発表し、2001年には大学病院での医学部教育課程に東洋医学が取り入れられるなど、もはや民間療法ではない正式な医療としての役割を担っております。
これら背景には現代社会特有のストレス、各種アレルギー、慢性疲労など不定愁訴と言われる疾患が増えてきており、それらに対して西洋医学の手法が必ずしも最適な効果をだすことができるとは言いがたい場合もあります。西洋医学は病気の原因である細菌やウイルスの根絶、患部の回復に重きをおいていますが、東洋医学は身体の巡りを回復させ、免疫力を高めることに着目しています。東洋医学の特徴としては、西洋医学よりも副作用が少なく、原因がはっきりしない症状や慢性的な症状に効果があること挙げられます。なので、近年では東洋医学を治療に取り入れる医療機関も年々増えてきています。
2008年にはWHOにより、ツボの名称や経穴の位置が統一され、今まで以上に鍼治療は世界標準として必要不可欠なグローバル医療としての地位を確立しつつあります。
はり治療の研究と取り組みがようやく始まった日本
日本は先進欧米諸国と比べると、鍼灸治療の医療への活用が遅いです。
日本の現状ですと、鍼灸への偏見や無理解が残っていることも有り、鍼灸を治療方法の一つとして選択出来ていないのが現状です。
アメリカは公的医療制度が無い国ですが、現代西洋医学に比べ、医療費のコストが安いので、鍼灸治療を日常的に選択するようになっています。また、イギリス・ドイツ・イタリアなどのヨーロッパでも鍼灸治療は盛んです。
健康保険制度も積極的に取り入れられている一方、日本は健康保険が適用できる鍼治療が6疾患に限定されております。
しかし、そんな状況でも、日本の医療における鍼治療の導入は少しずつ前進しています。2010年に厚生労働省は「統合医療プロジェクトチーム」を発足しました。現代西洋医学による医療と鍼灸をはじめとする、補完代替医療を組み合わせて患者様に提供するという「統合医療」を推進とすることを目的として活動をしております。
古来より伝統的に行われてきた鍼灸治療など、代替医療と西洋医学を統合し、患者様中心の医療を行うものが統合医療とされ、国を挙げて研究開発、人材確保の取り組みの促進が始まっています。
とはいえ、医療現場やリハビリ現場などで実際に治療法が取り入れられているケースはまだまだ少なく、これからの日本社会の高齢化に伴い、医療およびリハビリの現場におけるさらなる実践が望まれる状況にあります。
リハビリ分野での活躍
今では、脳卒中など脳血管疾患がもたらす後遺症に対するリハビリテーションへの活用が期待されています。
身体のツボを使い、手、足、顔、首、唇、その他後遺症の出ている部位を刺激することによって、脳梗塞によって失われた機能を補完する働きが促進されると認められつつあります。
私の専門でありますこの脳卒中の後遺症の鍼治療が、今後日本でもスタンダードに広く認められるよう期待しているところでもあります。
まだ臨床段階でありますが、鍼治療による後遺症回復の事例は少しずつ積み重なっており、今後のさらなる研究の発展が期待されています。
はり きゅう治療の流れ
鍼は、太さ0.12~0.25mmの鍼を使用しています。鍼の材質は折れにくいステンレス製の鍼を使用し、使い捨てですので衛生面でも安心で安全です。
灸は、もぐさを燃やして使います。原料はヨモギで、昔から薬草として用いられてきたことの他に、点火しやすく消えやすく、温度が適当です。ゆっくり温度が下がっていくため心地良い温熱効果が続き、ツボは内臓と深く繋がっており、からだの内側から温めることができます。
はり きゅう ほぐしを元に、痛みの緩和、全身の巡りを整える、滞りを軽減、コリの軽減、内臓器官の安定、を求めていきます。




