2026.09.04更新

「肩が重い」

「首が張る」

「頭までなんとなくスッキリしない」

「目が疲れると、顔までこわばる」

そんなとき、手にある小さなツボが使われることがあります。

今回ご紹介するのは、

合谷(ごうこく)

というツボです。

鍼灸を受けたことがある方なら、一度は使われたことがあるかもしれません。

とても有名なツボですが、実はただの「肩こりのツボ」ではありません。

東洋医学では、合谷は顔・頭・首・肩など、上半身のさまざまな不調を考えるときに登場する重要なツボです。

合谷はどこにある?

合谷は手の甲にあります。

親指と人差し指の骨が交わるあたり。

反対側の親指で押してみると、

「ズーンと響く」

「ここだけ少し痛い」

という場所が見つかる方も多いです。

ただし、ツボは単純に「この位置」とだけ決めるものではありません。

鍼灸治療では、

骨格
筋肉の張り
圧痛
左右差
身体全体の状態

なども確認しながら取穴します。

なぜ手のツボが肩や顔に関係するの?

ここが東洋医学のおもしろいところです。

「肩が凝っているなら、肩に鍼をすればいい」

と思う方も多いかもしれません。

もちろん、肩周辺に鍼をすることもあります。

でも東洋医学では、身体を部分だけで考えません。

手から腕、肩、首、顔へとつながる**経絡(けいらく)**という考え方があります。

合谷は、

手の陽明大腸経

という経絡上のツボです。

この経絡は、手から腕を通って肩や首、顔の方へとつながっていくと考えられています。

そのため、

「顔まわり」

「頭部」

「首肩」

などの状態を見るときに、手にある合谷が使われることがあります。

合谷=肩こりのツボ、ではない

ネットでは、

「肩こりには合谷」

と紹介されることがあります。

でも、本来はもっと広い視点で使われるツボです。

例えば、

首肩の張り
頭の重さ
目の疲れ
顔まわりの緊張
歯やあご周辺の違和感
上半身のこわばり

などを考えるときにも登場します。

ただし、

症状がある=必ず合谷を使う

というわけではありません。

同じ肩こりでも、原因は人によって違うからです。

同じ肩こりでも、東洋医学では見方が違う

例えば、肩が重いという方でも、

Aさんは長時間のデスクワーク。

Bさんは睡眠不足。

Cさんはストレスが強い。

Dさんは身体が冷えている。

Eさんは疲労がたまっている。

Fさんは胃腸が弱っている。

同じ「肩こり」という言葉でも、

身体の状態はまったく違います。

そのため鍼灸では、

「肩こりだから、このツボ」

ではなく、

「なぜこの人の肩が張っているのか」

を考えます。

ここがとても大切です。

合谷と「気」の巡り

YOJYOでも大切にしている、

という考え方があります。

東洋医学では、気は身体を動かす力や、身体の働きを支えるものとして考えられています。

ストレスや疲労が続くと、

「胸がつかえる」

「ため息が増える」

「肩に力が入る」

「身体が緊張して抜けない」

と感じることがあります。

こうしたとき、東洋医学では気の巡りも見ていきます。

合谷は、身体の巡りを考える際にもよく使われる代表的なツボです。

ストレスが強いと、なぜ肩が上がる?

これは東洋医学だけではなく、日常でも分かりやすい変化です。

緊張すると、

肩が上がる。

歯を食いしばる。

呼吸が浅くなる。

眉間に力が入る。

首が固くなる。

身体は無意識に「守る姿勢」を取ります。

これが毎日続けば、

「肩が凝る」

「頭が重い」

「顔が疲れて見える」

という状態につながることもあります。

だから肩だけを揉むのではなく、

身体全体の緊張をどう減らすか

という視点も重要です。

合谷に鍼をするとどんな感じ?

合谷に鍼をすると、

「ズーン」

「手の奥に響く」

「腕の方まで少し響く」

と感じる方もいます。

こうした鍼特有の感覚を、

得気(とっき)

と呼ぶことがあります。

ただし、強い刺激が良いわけではありません。

鍼灸治療では、

その人に合った刺激量

を調整することが大切です。

刺激に弱い方には、浅く優しく行う場合もあります。

自宅でできる合谷のセルフケア

自宅では、鍼を使う必要はありません。

反対側の親指で合谷をゆっくり押してみましょう。

やり方

親指と人差し指の骨の間を探します。

少し響く場所を見つけます。

5秒ほどゆっくり押します。

ゆっくり離します。

これを数回。

強く押しすぎる必要はありません。

「気持ちいい」くらいの強さで十分です。

合谷を押すだけで全部よくなる?

もちろん、そんなことはありません。

ツボはあくまで身体を整えるためのひとつの方法です。

例えば毎日、

睡眠不足。

長時間スマホ。

ずっと同じ姿勢。

運動不足。

強いストレス。

こうした状態が続いていれば、身体はまた緊張します。

大切なのは、

ツボ+生活

です。

今日からできる「上半身の養生」

合谷を押すだけでなく、こんなことも意識してみてください。

1時間に一度は肩を動かす
スマホを見る姿勢を見直す
深く息を吐く時間を作る
湯船で首肩を温める
睡眠時間を確保する
食いしばりに気づいたら力を抜く

特別なことではありません。

でも、

毎日の小さな積み重ねが身体を変えていきます。

これが養生です。

鍼灸治療院 寛ぎでは「肩だけ」を見ません

肩こりで来院されたとしても、

肩だけ施術して終わるとは限りません。

首。

背中。

腕。

手。

腰。

お腹。

足。

睡眠。

食事。

仕事。

ストレス。

身体全体を見ながら、その人に必要な場所を選びます。

合谷も、その中のひとつです。

今日のツボ
合谷(ごうこく)

場所
手の甲。親指と人差し指の骨が交わる付近。

東洋医学で考える主な領域
顔・頭・首肩・上半身の巡り

こんなとき身体を見るヒントに

首肩が重い
頭がスッキリしない
顔まわりがこわばる
目をよく使う
緊張しやすい
身体に力が入りやすい
身体は、離れた場所でもつながっている。

肩がつらいのに、

手に鍼をする。

初めて見ると、

「なんでそこ?」

と思うかもしれません。

でも東洋医学では、

身体はひとつにつながっている

と考えます。

痛い場所だけを見るのではなく、

その人の身体全体を見ていく。

それが鍼灸治療のおもしろさです。

身体を知る。ツボを知る。整え方を知る。

鍼灸治療院 寛ぎでは、

はり・きゅう・ほぐし・吸い玉

などを組み合わせながら、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術をご提案しています。