2026.09.03更新

「寝ても疲れが取れない」

「食欲が安定しない」

「なんとなく身体が重い」

「以前より疲れやすくなった気がする」

病院へ行くほどではない。

でも、絶好調でもない。

そんな**“なんとなく不調”**を感じることはありませんか?

鍼灸の世界では、痛い場所だけを見るのではなく、

その人の身体全体が今どういう状態なのか

を考えます。

今回ご紹介するのは、そんな身体の土台を考えるときに非常によく登場するツボ。

「足三里(あしさんり)」

です。

足三里はどこにある?

膝のお皿の少し下。

外側から、指4本分ほど下がったところにあります。

すねの骨の外側あたりを触ってみて、

「少し響くな」

「押すと気持ちいいな」

という場所が見つかるかもしれません。

ただし、人によって位置には多少違いがあります。

鍼灸治療では、単純に「ここから何cm」というだけではなく、

骨格・筋肉・圧痛・身体の反応

なども見ながらツボを取ります。

なぜ「足三里」がそんなに有名なのか?

東洋医学にはたくさんのツボがあります。

その中でも足三里は、昔から非常によく使われてきた代表的なツボのひとつです。

東洋医学では、胃腸は単に食べ物を消化する場所というだけではありません。

食べたものから、

身体を動かすためのエネルギー

を作り出す重要な働きを担っていると考えます。

この働きを東洋医学では、

「脾胃(ひい)」

という考え方で捉えます。

東洋医学では「元気」は胃腸から作られる

例えば、

朝ごはんを食べても元気が出ない。

疲れると食欲が落ちる。

逆に、疲れているのに甘いものばかり欲しくなる。

こうした身体の変化を、東洋医学では胃腸の働きだけでなく、

気・血・水の巡り

との関係まで見ていきます。

YOJYOでも大切にしている考え方です。

食べ物を身体に取り込み、

そこから必要なものを作り、

身体の各所へ届ける。

この流れがうまくいかなくなると、

「なんとなく元気が出ない」

という状態として現れることがあります。

「気」が足りない身体

東洋医学には、

気虚(ききょ)

という考え方があります。

簡単にいうと、

身体を動かすエネルギーが不足しているような状態

です。

例えば、

疲れやすい
朝からだるい
食後に眠くなる
声に力が出にくい
動くとすぐ疲れる
胃腸が弱い
風邪を引きやすい

などが重なる場合、東洋医学では「気」の状態も考えます。

もちろん、これだけで体質を決めることはありません。

脈・舌・生活・睡眠・食事・仕事・ストレスなども含めて総合的に見ます。

ここが、

「症状だけを見る」のと「身体全体を見る」ことの違い

です。

足三里は「疲れたから押せばいいツボ」ではありません

ここが結構大事です。

ネットでは、

「疲労には足三里!」

と一言で紹介されることがあります。

でも本来の鍼灸治療は、そんなに単純ではありません。

同じ「疲れた」という人でも、

Aさんは胃腸が弱っている。

Bさんは睡眠不足。

Cさんはストレスが強い。

Dさんは身体が冷えている。

Eさんは働き過ぎている。

原因はそれぞれ違います。

だから、

「この症状なら、このツボ」

だけではなく、

「なぜ今このツボを使うのか」

まで考えるのが鍼灸治療です。

足三里に鍼をするとどう感じる?

鍼を入れると、

「ズーン」

「じわーっ」

「少し重たい」

という独特の感覚を感じる場合があります。

東洋医学では、こうした鍼特有の感覚を

「得気(とっき)」

と呼ぶことがあります。

もちろん全員が同じ感覚になるわけではありません。

刺激量も、その人の身体に合わせて調整します。

お灸との相性もいいツボ

足三里は、お灸でもよく使われるツボです。

お灸は、もぐさの温熱刺激を利用します。

特に、

「冷えやすい」

「疲れると胃腸も弱る」

「身体が冷えると調子が落ちる」

という方では、温める刺激を組み合わせることもあります。

ただし、肌の状態や体質によって適否があります。

自宅でできる「足三里養生」

ご自宅では、まず優しく押す程度で十分です。

やり方

膝下の足三里周辺を、

5秒ほどゆっくり押す

離す

これを数回繰り返します。

「強く押した方が効く」

わけではありません。

痛気持ちいい程度でOKです。

入浴後など身体が温まっている時間もおすすめです。

でも、ツボ以上に大切なのが生活です

足三里を毎日押していても、

睡眠時間が極端に短い。

食事が不規則。

毎日深夜まで仕事。

身体を休ませる時間がない。

これでは身体はなかなか整いません。

東洋医学の面白いところは、

鍼灸だけで身体を変えようとしないこと。

食事。

睡眠。

運動。

季節。

感情。

仕事。

生活リズム。

全部含めて「養生」です。

これはYOJYOでも大切にしている考え方です。

鍼灸治療院 寛ぎでは「痛い場所だけ」を見ません

例えば、

「肩が痛い」

という患者さんが来院されたとしても、

肩だけに鍼をして終わり、

とは限りません。

なぜ肩が張っているのか。

睡眠は取れているか。

胃腸はどうか。

身体は冷えていないか。

仕事の負担は?

ストレスは?

こうした身体全体の状態を見ながら、

その方に必要なツボを組み合わせていきます。

足三里も、その選択肢のひとつです。

今日のツボ
足三里(あしさんり)

場所
膝のお皿の下から指4本ほど下、すねの外側付近

東洋医学で考える主な領域
胃腸・気・身体の土台

こんなとき身体を見るヒントに

なんとなく疲れやすい
胃腸の調子が気になる
食後にだるい
元気が出にくい
身体全体を整えたい
「なんとなく不調」には、理由があるかもしれません。

身体は突然悪くなるだけではありません。

その前に、

「最近疲れやすい」

「食欲が変わった」

「眠りが浅い」

「身体が重い」

という小さな変化が出ていることがあります。

その小さなサインを知ることも、養生の第一歩です。

身体を知れば、整え方が見えてくる。

鍼灸治療院 寛ぎでは、

はり・きゅう・ほぐし・吸い玉

などを組み合わせながら、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術をご提案しています。