寛ぎブログ

2026.10.06更新

魚際(ぎょさい)とは?

手太陰肺経には、中府から少商まで11の経穴があります。

今回ご紹介するのは、 肺経の10番目の経穴「魚際(ぎょさい)」 です。

魚際は、 親指の付け根、手のひら側に位置する肺経のツボで、 東洋医学では 「滎火穴(えいかけつ)」 に分類されます。

名古屋市港区の 鍼灸治療院 寛ぎ では、 一つのツボだけを見るのではなく、 気血・経絡・臓腑・陰陽など身体全体の状態を確認しながら施術を行っています。

魚際の場所

魚際は、 親指の付け根にあるふくらみの中央付近 にあります。

手のひら側で、 親指の付け根にある母指球の外縁付近に取る経穴です。

前回ご紹介した 太淵(たいえん) から肺経が親指方向へ進み、 その途中に魚際があります。

この先、 肺経は親指の先端にある 少商(しょうしょう) へと続きます。

「魚際」という名前の意味

経穴の名前には、 その場所の形や特徴が表されていることがあります。

「魚」は魚の腹、 「際」は境目を意味すると考えられます。

親指の付け根にあるふくらみが、 魚の腹のように見えることから、 その境目にあるツボとして 魚際 という名称がついたと考えられています。

魚際は「滎火穴」

魚際を理解するうえで重要なのが、 滎火穴 という分類です。

東洋医学では、 手足の末端から肘・膝にかけてある重要な経穴を、

井穴。
滎穴。
兪穴。
経穴。
合穴。

という5種類に分類します。

これを 五行穴 と呼びます。

肺経において魚際は 「滎穴」 にあたり、 さらに五行では 「火」 に属します。

そのため、 滎火穴 と呼ばれます。

肺は「金」、魚際は「火」

東洋医学の五行では、 肺は 「金」 に属します。

一方、 魚際は肺経の中では 「火」 の性質を持つ経穴です。

五行では、 火と金の間には 火克金 という関係があります。

こうした五行の関係も、 古典的な鍼灸では経穴を考える際の一つの要素になります。

「滎穴」とは?

滎穴は、 五行穴の中でも 気が少しずつ流れ始める場所 として考えられています。

古典的な東洋医学では、 熱を伴うような状態や、 経絡に強く現れている反応をみる際などに 滎穴が用いられることがあります。

肺経では、 その滎穴が 魚際 です。

魚際はどのようなときに使われる?

古典的な東洋医学では、 魚際は肺経に関係するさまざまな状態を考える際に 用いられてきました。

たとえば、

咳。
喉の違和感。
声のかすれ。
胸のつかえ感。
親指や手のひら周囲の違和感。

などを確認する際に選ばれることがあります。

ただし、 「この症状なら魚際を使う」 と単純に決めるものではありません。

身体全体の状態や、 他の経絡との関係を確認しながら 使用する経穴を選びます。

東洋医学でいう「肺」は呼吸だけではありません

東洋医学でいう肺は、 現代医学の肺という臓器だけを意味するものではありません。

東洋医学では肺について、

呼吸。
気の巡り。
鼻や喉。
皮膚や身体表面。
水分の巡り。

などとも関係すると考えます。

そのため魚際を使う場合も、 単に呼吸器だけを見るのではなく、 身体全体の状態を確認していきます。

太淵から魚際へ|肺経はいよいよ親指へ

ここまで肺経は、

中府
↓
雲門
↓
天府
↓
侠白
↓
尺沢
↓
孔最
↓
列缺
↓
経渠
↓
太淵
↓
魚際

と進んできました。

胸から上腕、肘、前腕、手首を通り、 ついに親指の付け根まで到達しました。

次はいよいよ肺経最後の経穴、 少商 です。

魚際を自分で押してもいい?

セルフケアとして触れる場合は、 親指の付け根のふくらみを 指の腹でやさしく押してください。

強い痛みが出るほど押し込む必要はありません。

数秒ほど軽く押して離す程度でも十分です。

手に強い痛み・腫れ・しびれなどがある場合は、 無理に刺激を続けず、 必要に応じて医療機関へご相談ください。

魚際だけで身体を判断するわけではありません

魚際は肺経の滎火穴として重要な経穴ですが、 鍼灸では一つのツボだけですべてを判断するわけではありません。

肺経には、

中府。
雲門。
天府。
侠白。
尺沢。
孔最。
列缺。
経渠。
太淵。
魚際。
少商。

という11の経穴があります。

さらに他の経絡も含め、

気血
経絡
臓腑
陰陽

などを確認しながら、 その日の身体に合わせて施術を組み立てます。

名古屋市港区の鍼灸治療院 寛ぎ

鍼灸治療院 寛ぎでは、 症状が出ている場所だけを見るのではなく、 身体全体の状態を確認することを大切にしています。

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肺経シリーズ|次回は「少商」

今回の 魚際 に続いて、 次回はいよいよ肺経最後の経穴、 「少商(しょうしょう)」 をご紹介します。

少商は、 肺経の井木穴(せいもくけつ) に分類される経穴です。

肺経の終点として、 次回は 井穴とは何か・木との関係・肺経11穴のまとめ まで一気に見ていきます。

まとめ

魚際は、 手太陰肺経の10番目に位置する経穴 です。

親指の付け根にあり、 肺経の 滎火穴 に分類されます。

肺は五行では「金」、 魚際は「火」に属するため、 五行の関係を考えるうえでも特徴的な経穴です。

ツボを一つずつ見ていくことで、 経絡・五行・臓腑がどのようにつながっているのか、 東洋医学の考え方が少しずつ見えてきます。

名古屋市で東洋医学をもとにした鍼灸をお探しの方は、 お気軽にご相談ください。

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