中府(ちゅうふ)とは?
今回から、東洋医学で用いられる経穴(ツボ)を、 経絡ごとに一つずつご紹介していきます。
最初に取り上げるのは、 手太陰肺経(てたいいんはいけい)です。
肺経には11の経穴があり、 その最初に位置するのが 「中府(ちゅうふ)」です。
中府は胸部にあるツボで、 東洋医学では 肺の「募穴(ぼけつ)」 として重要視されてきました。
名古屋市港区の 鍼灸治療院 寛ぎ でも、 症状の場所だけではなく、 経絡や身体全体の状態を確認しながらツボを選んでいます。
中府の場所
中府は、 胸の上部、鎖骨の少し下から外側にあるツボです。
東洋医学的な位置では、 前正中線から外側へ約6寸、 第一肋間の高さに取ります。
同じ肺経の 雲門(うんもん) というツボの約1寸下にあります。
胸部にあるツボのため、 正確な位置を判断するには 骨格や筋肉の位置を確認することが大切です。
「中府」という名前の意味
経穴の名前には、 そのツボの働きや位置を表す意味が込められていることがあります。
「中」は身体の中心や中焦、 「府」は気が集まる場所という意味で用いられます。
東洋医学では、 中府は 肺の気が集まる重要な場所 として考えられてきました。
中府は「肺の募穴」
中府を理解するうえで重要なのが、 募穴(ぼけつ) という考え方です。
募穴とは、 東洋医学において 臓腑の気が胸腹部に集まる場所 と考えられている経穴です。
それぞれの臓腑には関連する募穴があり、 肺に対応する募穴が中府です。
そのため東洋医学では、 肺の状態を考える際に 中府を確認することがあります。
東洋医学でいう「肺」とは?
東洋医学でいう「肺」は、 現代医学の肺という臓器だけを意味するものではありません。
東洋医学では肺について、
呼吸。
気の巡り。
身体表面の状態。
鼻や喉。
水分の巡り。
などとも関係するものとして考えます。
そのため、 肺経のツボを使用するときも、 単に呼吸器だけを見るのではなく、 身体全体の状態を確認していきます。
中府はどのようなときに使われる?
古典的な東洋医学では、 中府は肺に関係するさまざまな状態を考える際に用いられてきました。
たとえば、
咳。
胸部のつかえ感。
呼吸のしづらさ。
胸や肩周囲の緊張。
などをみる際に選ばれることがあります。
ただし、 「この症状なら必ず中府を使う」 というものではありません。
東洋医学では、 同じ症状でも身体の状態によって 使用するツボは異なります。
胸や肩周りの緊張との関係
中府は胸の上部に位置するため、 胸や肩周囲の緊張を確認する際にも触れることがあります。
長時間のデスクワークやスマートフォンなどで、
肩が前に入る。
胸周りが硬い。
呼吸が浅く感じる。
といった状態になっている方も少なくありません。
こうした場合でも、 中府だけを見るのではなく、 首・肩・背中・呼吸の状態などを含めて身体全体を確認します。
中府だけを刺激すればよいわけではありません
ツボの名前を知ると、
「このツボを押せば、この症状にいいの?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし鍼灸では、 一つのツボだけで身体を考えるわけではありません。
中府を使用する場合でも、 同じ肺経にある
尺沢。
孔最。
列缺。
太淵。
などのツボや、 他の経絡のツボを組み合わせることがあります。
身体全体の状態を確認しながら、 どの経絡・どのツボを使うかを考える ことが鍼灸では大切です。
自分で中府を押してもいい?
セルフケアとして触れる場合は、 胸の上部を強く押し込まず、 指の腹でやさしく触れる程度にしてください。
痛いほど強く押す必要はありません。
また、中府は胸部にあり、 その深部には肺があります。
ご自身で鍼を刺すことは絶対に避けてください。
胸部への鍼施術は、 解剖学的な知識を持つ鍼灸師が 安全性に配慮しながら行う必要があります。
寛ぎでは経穴だけでなく身体全体をみます
名古屋市港区の鍼灸治療院 寛ぎでは、
「肩がつらいから肩のツボ」
というように、 症状とツボを単純に一対一で考えるだけではありません。
東洋医学の
気血
経絡
臓腑
陰陽
などの状態を確認しながら、 その日の身体に合わせて施術を組み立てます。
当院の鍼灸についてはこちらをご覧ください。
身体全体をみる「全身鍼灸」
一部分だけではなく、 身体全体をしっかり確認してほしい方には 全身鍼灸 をご用意しています。
気血・経絡・臓腑・陰陽などを確認しながら、 その日の身体に合わせて施術を組み立てます。
施術時間:90分程度
料金:11,000円(税込)
美顔鍼付き
肺経シリーズ|次回は「雲門」
手太陰肺経には、 中府から少商まで11の経穴があります。
今回の 中府 から始まり、 次回はそのすぐ上にある 「雲門(うんもん)」 についてご紹介します。
一つひとつのツボを知ることで、 東洋医学が身体をどのようにつなげて考えているのかも 少しずつ見えてきます。
まとめ
中府は、 手太陰肺経の最初の経穴であり、肺の募穴 です。
胸部に位置し、 東洋医学では肺の状態を確認する際に重要な経穴の一つとして考えられてきました。
ただし、 鍼灸では一つのツボだけで症状を判断するのではありません。
身体全体の状態を確認しながら、 必要な経絡・経穴を組み合わせることが大切です。
名古屋市で東洋医学をもとにした鍼灸をお探しの方は、 お気軽にご相談ください。
鍼灸治療院 寛ぎ