寛ぎブログ

2026.10.24更新

東洋医学・経絡とツボの物語

胃経 参拾参
陰市(いんし)

膝の痛み・冷え・軟骨と半月板の仕組み

足陽明胃経 ST33 / YINSHI

朝、立ち上がるときに 膝がこわばる。

階段を下りると、 膝の前側が痛む。

長く歩いた日は 膝の周りが重だるくなる。

ときには膝が冷たく感じたり、 太ももの前側に 違和感が出たりする。

こうした症状を、 年齢のせいだから 仕方がないと思っていませんか。

膝の痛みには、 関節軟骨や半月板、 靱帯、筋肉、腱、 神経などが関係します。

また、膝が冷たいと感じることと、 実際に皮膚の温度や 血流が低下していることは 必ずしも同じではありません。

今回ご紹介する 陰市(いんし)は、 足陽明胃経の第33穴です。

太ももの前外側、 膝の少し上に位置する経穴で、 古典的には膝の痛みや冷え、 下肢の動かしにくさなどと 関連づけられてきました。

今回は陰市を入り口に、 変形性膝関節症、 関節軟骨、 半月板、 大腿四頭筋、 膝の冷えと神経・血流の関係を 詳しく解説していきます。

一、陰市とはどんなツボ?

陰市は「いんし」と読み、 国際的な経穴番号では ST33と表記されます。

足陽明胃経45穴のうち、 第33番目の経穴です。

「陰」は東洋医学における 陰陽の概念に関わる文字で、 「市」は人や物が集まる市場を 意味します。

名称の由来には 複数の伝統的な解釈があります。

ただし、陰という文字が 含まれるからといって、 身体を必ず温める効果がある という意味ではありません。

陰市の基本情報
  • 名称:陰市(いんし)
  • 経穴番号:ST33
  • 所属:足陽明胃経
  • 胃経45穴の第33穴
  • 位置:大腿前外側
  • 大腿直筋腱の外側
  • 膝蓋骨底から上方3寸
  • 伏兎(ST32)の下方
  • 次の経穴:梁丘(ST34)

二、陰市の正確な場所は?

WHO標準経穴位置では、 陰市は 大腿前外側、 大腿直筋腱の外側で、 膝蓋骨底から上方3寸 に位置します。

膝蓋骨は、 一般に「膝のお皿」と 呼ばれる骨です。

陰市は、 前回の伏兎(ST32)と 膝蓋骨上縁外端を結ぶ線の 中間に位置します。

ここでいう「寸」は、 身体の部位に応じた 相対的な尺度です。

一般的なセンチメートルとは 異なります。

髀関(ST31)― 大腿前面上部↓ 伏兎(ST32)― 膝蓋骨上方6寸 ↓ 陰市(ST33)― 膝蓋骨上方3寸 ↓ 梁丘(ST34)― 膝蓋骨上方2寸 ↓犢鼻(ST35)― 膝の前外側

三、陰市の周囲の解剖学

陰市の周囲には、 大腿四頭筋を構成する 筋肉が存在します。

特に重要なのが、 大腿直筋と外側広筋です。

① 大腿直筋

大腿直筋は、 股関節と膝関節の 両方をまたぐ筋肉です。

股関節を曲げる働きと、 膝を伸ばす働きに関係します。

② 外側広筋

外側広筋は、 太ももの外側に位置する 大腿四頭筋の一部です。

膝を伸ばす際に 重要な役割を持ちます。

③ 神経と血管

太ももの前外側には、 皮膚の感覚を伝える神経や 血管の枝が分布しています。

大腿四頭筋の運動には、 主に大腿神経が関係します。

ただし、 陰市の位置と特定の神経の走行が 完全に一致するわけではありません。

四、膝関節はどんな構造?

膝関節は、 大腿骨、脛骨、膝蓋骨などで 構成されています。

膝を曲げる・伸ばすだけでなく、 体重を支え、 歩行中の衝撃を調整する 重要な関節です。

膝の内部や周囲には、 関節軟骨、半月板、靱帯、 滑膜、関節包などがあります。

これらが協調することで、 歩く、立つ、階段を上るなどの 動作が可能になります。

五、関節軟骨は何をしている?

関節軟骨は、 関節を構成する骨の表面を覆う 滑らかな組織です。

関節面の摩擦を減らし、 荷重を分散する働きに 関係しています。

膝は日常生活の中で 繰り返し負荷を受けます。

関節軟骨や軟骨下骨、 滑膜などに変化が起こると、 膝の痛みや腫れ、 こわばりにつながる場合があります。

ただし、関節軟骨には 痛みを感じる神経が 豊富にあるわけではありません。

変形性膝関節症の痛みには、 滑膜、骨、関節周囲の組織など さまざまな要因が関わります。

知っておきたいこと

膝が痛いからといって、 必ず軟骨そのものが 痛みの発生源とは限りません。

また、軟骨の変化があっても 症状が少ない方もいます。

六、半月板とは?

半月板は、 大腿骨と脛骨の間にある 線維軟骨性の組織です。

膝の内側と外側に それぞれ存在します。

半月板には、 次のような働きがあります。

  • 荷重を分散する
  • 衝撃を和らげる
  • 膝関節の安定性に関わる
  • 関節面の適合性を高める

半月板は、 スポーツ中のひねり動作などで 損傷する場合があります。

一方、加齢に伴う変性によって 損傷がみられることもあります。

ただし、画像検査で 半月板損傷が見つかっても、 それが痛みの原因とは 限りません。

七、半月板損傷ではどんな症状が出る?

半月板損傷では、 膝の痛みや腫れ、 引っかかり感などが 現れる場合があります。

膝をひねる動作で 症状が強くなることもあります。

また、膝が途中で引っかかり、 伸ばしにくくなる場合があります。

ただし、 膝の引っかかり感があるだけで 半月板損傷と 診断できるわけではありません。

症状や診察所見によっては、 MRIなどが検討されます。

膝が急に伸びなくなった場合

けがの後に膝が強く腫れたり、 関節が引っかかって 十分に伸ばせなくなったりした場合は、 速やかに整形外科で相談してください。

無理に曲げ伸ばしを繰り返すことは 避けましょう。

八、変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、 関節軟骨だけでなく、 骨や滑膜、半月板などを含む 関節全体に変化が起こる病気です。

加齢や体重、 過去の膝のけが、 関節の形態などが 関係する場合があります。

代表的な症状には、 次のようなものがあります。

  • 歩き始めに膝が痛む
  • 階段の上り下りがつらい
  • 立ち上がるときに痛む
  • 膝がこわばる
  • 膝が腫れる
  • 膝の曲げ伸ばしが難しくなる
  • 歩行距離が短くなる

ただし、 症状と画像上の変化は 必ずしも一致しません。

九、なぜ階段で膝が痛む?

階段の上り下りでは、 平地を歩くときとは 異なる負荷が膝にかかります。

特に階段を下りるときは、 身体が下へ移動する速度を 筋肉が調整する必要があります。

このとき大腿四頭筋は、 膝を曲げながら 動きを制御する働きをします。

これを遠心性収縮といいます。

膝関節に痛みがある場合や、 筋力が低下している場合には、 階段で症状が強くなることがあります。

ただし、階段で痛む原因は 変形性膝関節症だけではありません。

十、大腿四頭筋と膝の安定性

前回の伏兎で紹介した 大腿四頭筋は、 今回の陰市でも重要な筋肉です。

大腿四頭筋は、 膝を伸ばす働きに関係しています。

また、立ち上がりや 歩行時の膝の動きを 調整する役割を持ちます。

膝の痛みが続くと、 筋肉を十分に使わなくなり、 筋力低下につながる場合があります。

その結果、 さらに歩きにくくなり、 活動量が減るという 悪循環が起こることもあります。

膝に痛みが生じる↓ 歩行や活動が減る ↓ 太ももの筋力が低下する場合がある ↓ 立ち上がりや階段がつらくなる ↓さらに活動量が減ることがある

このような状態を防ぐためにも、 病状に合った運動療法が重要です。

十一、膝のお皿の痛みとは?

膝の前側や 膝蓋骨の周囲に痛みが出る場合、 膝蓋大腿関節の問題が 関係することがあります。

膝蓋大腿関節は、 膝蓋骨と大腿骨で 構成される関節です。

膝の曲げ伸ばしに伴って、 膝蓋骨は大腿骨との間で 動きます。

膝の前面に痛みがある場合は、 変形性膝関節症だけでなく、 膝蓋大腿関節痛なども 考えられます。

特に階段やしゃがみ動作で 症状が現れる場合があります。

ただし、症状だけで 原因を断定することはできません。

十二、膝が冷たく感じるのはなぜ?

陰市は伝統的に、 膝の冷えと関連づけられてきました。

しかし、現代医学では 「冷たく感じる」という症状を 複数の視点から考えます。

① 実際に皮膚温が低い場合

寒い環境や 末梢の血流変化などによって、 皮膚温が低下する場合があります。

② 感覚として冷たく感じる場合

皮膚の温度が 明らかに低くなくても、 神経の働きの変化によって 冷感を自覚する場合があります。

③ 血管の病気が関係する場合

動脈の血流障害では、 脚や足が冷たくなることがあります。

ただし、膝の冷えを感じるだけで 動脈の病気と判断することは できません。

突然の強い冷感には注意

片脚が突然強く痛み、 冷たくなったり、 皮膚の色が白くなったり、 しびれや脱力が現れたりした場合は、 急性の血流障害が考えられます。

直ちに119番へ連絡してください。

強いマッサージや温熱刺激で 様子を見ることは避けてください。

十三、膝の痛みと神経の関係

膝周囲の痛みやしびれには、 神経が関係する場合もあります。

大腿神経は、 太ももの筋肉の運動や 一部の感覚に関係しています。

また、伏在神経は 下腿内側などの感覚に 関わる神経です。

腰椎の病気によって 膝周囲に痛みが 現れる場合もあります。

さらに、股関節の病気で 膝に関連痛が生じることもあります。

膝の痛みが必ず 膝関節そのものから 発生しているとは限りません。

十四、膝の腫れと炎症

膝の周囲が腫れる場合、 関節内や周辺の組織に 炎症などが起きている 可能性があります。

原因には、 変形性膝関節症の増悪、 滑膜炎、関節内の損傷などがあります。

また、結晶誘発性関節炎や 感染性関節炎なども 考える必要があります。

突然強く腫れた場合や、 赤み・熱感・発熱を伴う場合は、 早急な診察が重要です。

赤く熱を持つ膝と発熱

膝が急に腫れ、 強い痛みや熱感があり、 発熱を伴う場合は、 化膿性関節炎などの 緊急疾患の可能性があります。

速やかに救急医療を受けてください。

感染症が疑われる状態では、 鍼灸やマッサージを 優先しないでください。

十五、変形性膝関節症の診断

変形性膝関節症の診断では、 症状の経過や 関節の状態を確認します。

年齢、活動時の痛み、 朝のこわばりの程度などが 判断の参考になります。

必要に応じて、 X線検査などの画像検査が 行われる場合もあります。

ただし、典型的な症状がある方では、 画像検査が必ずしも 必要とは限りません。

症状の経過が通常と異なる場合には、 ほかの病気について 評価することも大切です。

十六、変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症では、 症状の改善と 日常生活機能の維持を 目指した治療が行われます。

① 運動療法

大腿四頭筋などの 筋力を保つ運動や、 全身の身体活動が重要です。

状態に応じた運動を 継続することが 推奨されています。

② 体重管理

体重が関節への負担に 関係している場合には、 適切な体重管理が 役立つことがあります。

ただし、無理な減量や 極端な食事制限は避けましょう。

③ 薬物療法

症状に応じて、 外用の抗炎症薬などが 検討される場合があります。

持病や使用中の薬によっては、 使用できない薬もあります。

④ 手術療法

痛みや機能障害が強く、 保存的治療で 十分な改善が得られない場合は、 人工膝関節置換術などが 検討されることもあります。

治療方法は、 整形外科で相談することが重要です。

十七、膝を守る生活習慣

膝の痛みがある場合は、 痛みの原因に応じて 生活習慣を見直すことが 役立つ場合があります。

① 無理のない歩行

適度な歩行は、 全身の健康維持に重要です。

ただし、歩けないほどの痛みがある場合に 無理をする必要はありません。

② 太ももの筋力維持

大腿四頭筋などの筋力を 維持することは、 膝の機能にとって重要です。

運動の内容や負荷は、 痛みの状態に合わせて 調整しましょう。

③ 段差や階段の負担を減らす

膝の痛みが強い場合は、 手すりを使用するなど、 安全な動作を心がけましょう。

④ 必要に応じて杖を使う

歩行補助具が、 膝への負担や転倒の危険を 減らす助けになる場合があります。

正しい使い方については 専門家へ相談しましょう。

十八、膝を温めれば痛みは治る?

膝のこわばりや 慢性的な不快感に対して、 温めることで 楽に感じる方もいます。

ただし、膝の痛みの原因が すべて冷えにあるわけではありません。

また、温めることによって すり減った軟骨が再生したり、 半月板損傷が修復されたりする わけではありません。

急に膝が腫れた場合や、 赤み・熱感・発熱を伴う場合は、 温熱刺激を優先せず 医療機関を受診してください。

十九、古典では陰市を何に用いた?

陰市は伝統的な鍼灸において、 大腿や膝の痛み、 冷え、下肢の運動障害などと 関連づけられてきました。

伝統的な経穴解説には、 次のような症状が挙げられています。

  • 膝の痛み
  • 太ももの痛み
  • 膝や脚の冷感
  • 脚のしびれ
  • 膝の動かしにくさ
  • 下肢の筋力低下
  • 腹部の張りや痛みに関する記載

東洋医学では、 こうした症状を 「痺証(ひしょう)」や 「寒湿」などの概念で 説明する場合があります。

痺証は、 痛みやしびれ、 重だるさなどに関わる 伝統的な分類です。

寒湿は、 寒さと湿の性質によって 身体の巡りが妨げられると考える 伝統医学上の概念です。

ただし、寒湿は 現代医学の血行障害や関節炎と 同義ではありません。

二十、陰市への鍼灸に科学的根拠はある?

膝の痛みや変形性膝関節症については、 鍼灸の臨床研究が行われています。

一部の研究では 痛みの軽減が報告されていますが、 結果の評価は 比較対象や研究方法によって異なります。

英国NICEの 変形性関節症診療ガイドラインでは、 変形性関節症の管理を目的とした 鍼灸やドライニードリングを 提供しないよう推奨しています。

また、複数の経穴を 使用した研究の結果から、 陰市一穴だけの効果を 判断することはできません。

陰市(ST33)単独への鍼灸によって、 変形性膝関節症や半月板損傷を 治療できるという十分に確立した 臨床的根拠はありません。

陰市への刺激で 関節軟骨が再生する、 半月板が修復される、 膝の変形が元に戻るといった効果も 証明されていません。

科学的根拠について整理すると
  • 陰市には膝・下肢症状への伝統的な使用例がある
  • 変形性膝関節症を対象とした鍼灸研究は存在する
  • 研究結果と診療ガイドラインの推奨を区別する必要がある
  • 陰市単独の有効性は確立していない
  • 軟骨や半月板の再生効果は証明されていない
  • 運動療法などの標準的な対応を代替しない

二十一、こんな膝の症状は受診を優先

整形外科で確認したい症状
  • 膝の痛みが長く続く
  • 階段の上り下りが難しい
  • 膝の曲げ伸ばしが徐々に悪くなる
  • 膝が繰り返し腫れる
  • 膝折れを繰り返す
  • 膝が引っかかって動きにくい
  • 太ももの筋力低下がある
  • 膝周辺のしびれが続く

関節だけでなく、 筋肉、神経、股関節なども含めて 評価が必要になる場合があります。

緊急対応が必要な症状
  • 転倒後に膝が激しく痛み、体重をかけられない
  • 膝が突然強く腫れた
  • 膝が赤く熱を持ち、発熱している
  • 脚が急に冷たくなり、強く痛む
  • 突然の脚の脱力や麻痺が起きた

骨折、感染性関節炎、 急性下肢虚血などの 可能性があります。

速やかに救急医療を受けてください。 突然の麻痺や強い血流障害が疑われる場合は、 119番へ連絡してください。

二十二、陰市への施術と安全性

陰市の周辺には、 大腿四頭筋の筋肉や腱、 神経、血管などが存在します。

不適切な刺鍼では、 出血や組織の損傷、 感染などが生じる可能性があります。

また、膝の痛みの原因が 感染症や骨折などの場合は、 鍼灸より医学的な対応が必要です。

陰市の安全上の注意
  • 自分で鍼を刺さない
  • 筋肉や腱を強く押し込まない
  • 急に膝が腫れた場合は原因を確認する
  • 発熱や熱感のある関節痛では診療を優先する
  • 突然の脚の冷感や麻痺は救急対応を優先する
  • 抗凝固薬の服用や出血傾向を施術者に伝える

二十三、鍼灸治療院 寛ぎの施術方針

鍼灸治療院 寛ぎでは、 症状のある場所だけでなく、 身体全体の状態を確認することを 大切にしています。

膝の痛みや下肢の冷えについて ご相談を受けた場合も、 症状の経過や 医療機関での診断・治療状況を 確認します。

必要に応じて、 次のようなことを伺います。

  • 膝の痛みが始まった時期
  • 左右どちらに症状があるか
  • 歩行や階段との関係
  • 膝の腫れや熱感の有無
  • 転倒やスポーツ外傷の有無
  • 膝の曲げ伸ばしの状態
  • 太ももの筋力低下
  • 脚の冷感やしびれ
  • 股関節や腰椎の不調
  • 服用中の薬
  • 日常の活動量
  • 医療機関での検査結果

そのうえで、 気血・陰陽・臓腑・経絡などの 東洋医学的な視点からも 身体の状態を考えます。

ただし、東洋医学的な問診だけで、 変形性膝関節症、 半月板損傷、 感染性関節炎、 血管疾患などを 医学的に診断・除外することはできません。

必要な医療機関での診療を優先し、 鍼灸の適応を慎重に判断します。

陰市への直接的な刺鍼を 必ず行うものではありません。

当院の全身鍼灸

調和陰陽・疏通経絡・調整臓腑

気血・経絡・臓腑・陰陽の状態を確認し、 身体全体を東洋医学的な視点から 整えることを目指す施術です。

施術時間:90分程度
料金:11,000円(税込)
美顔鍼付き

※症状、体調、安全性、 医療機関での診療状況に応じて 施術内容を判断します。 陰市への刺鍼を必ず行うものではありません。

※変形性膝関節症、半月板損傷、 神経障害などの改善や治癒を 保証するものではありません。

二十四、まとめ ― 膝を支えているのは軟骨だけではない

陰市は、 足陽明胃経の第33穴です。

太ももの前外側、 膝蓋骨の上縁から 上方3寸に位置します。

伝統的には、 膝の痛み、冷え、 下肢のしびれや 運動障害などと 関連づけられてきました。

一方、現代医学では、 膝の働きには 関節軟骨、半月板、 靱帯、筋肉、神経など さまざまな組織が関係しています。

変形性膝関節症では、 関節全体に変化が起こり、 立ち上がりや階段、 歩行で痛みが現れることがあります。

また、膝が冷たく感じる場合も、 皮膚温の変化や 神経・血流の問題など、 複数の原因が考えられます。

陰市への鍼灸についても、 軟骨や半月板を再生する効果が 証明されているわけではありません。

大切なのは、 痛みの原因を適切に評価し、 必要な医療を受けながら、 筋力や日常の活動を 維持することです。

鍼灸治療院 寛ぎでは、 東洋医学の伝統と 現代医学の知見を尊重し、 安全性を重視しながら 身体全体を見つめる施術を 心がけています。

ACUPUNCTURE CLINIC KUTSUROGI

身体を、全体から見つめる。

首肩のこりや慢性的な疲労など、 身体のさまざまな不調について お気軽にご相談ください。

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※転倒後の歩行不能、 発熱を伴う膝の強い腫れ、 脚の突然の冷感や麻痺がある場合は、 医療機関での診療を優先してください。

参考資料・医学的情報

1. World Health Organization. WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region. ST33の位置。 WHO標準経穴位置

2. National Institute for Health and Care Excellence(NICE). Osteoarthritis in over 16s: diagnosis and management(NG226). 変形性関節症の診療推奨

3. American Academy of Orthopaedic Surgeons. OrthoInfo. 膝の構造・関節疾患に関する医学情報

4. Chinese Medical Database. Yinshi(ST33). 陰市の伝統的な主治

5. National Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH). Acupuncture: Effectiveness and Safety. 鍼灸の科学的根拠と安全性

本記事は一般的な健康情報です。 医学的な診断や治療の代わりにはなりません。 伝統医学上の使用例と科学的に確認された効果を 区別して説明しています。

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