肩こりを正しく知る
首から肩、背中にかけて感じる 張り・重さ・痛み。 原因、関連する疾患、危険な症状、 運動、セルフケア、そして鍼灸について 現在分かっていることを整理します。
肩こりは、 一つの病気の名前とは限りません。
首すじから肩、背中にかけて、 張る、重い、凝る、痛いなどの 不快感を表す言葉として使われます。
長時間同じ姿勢を続けることや 運動不足、精神的な緊張などが 症状に関係することがあります。
一方で、 頚椎疾患や肩関節疾患、 そのほかの病気に伴う症状として 肩こりが出る場合もあります。
肩こりとは?
肩こりでは、 首の付け根から肩、 背中にかけて 張りや重さ、痛みなどを感じます。
特に僧帽筋は、 肩こりで不快感を感じやすい筋肉の一つです。
しかし、 肩こりを一つの筋肉だけで 説明することはできません。
どんな症状が出る?
肩こりの原因は?
肩こりには さまざまな要因が関係します。
肩こり=筋肉の問題とは限らない
「肩が硬いから筋肉をほぐせばいい」 と単純に考えられない場合があります。
日本整形外科学会では、 肩こりに頚椎疾患、 肩関節疾患などが関係する場合があることを 示しています。
頚椎症との関係
頚椎には加齢に伴って 椎間板や関節などの変化が生じることがあります。
こうした変化に伴って、 首・肩の痛み、 腕や手の神経症状などが出る場合があります。
ただし、 画像上の加齢性変化があるだけで 肩こりの原因と断定することはできません。
頚椎椎間板ヘルニアとの関係
頚椎椎間板ヘルニアでは、 首や肩の痛みに加えて、 腕・手への痛みやしびれ、 筋力低下などが生じる場合があります。
腕・手の神経症状などがある場合には 医学的評価が重要です。
肩こりと頭痛
肩こりとともに 頭痛を感じる方は少なくありません。
緊張型頭痛などでは 首・肩周囲の不快感を伴うことがあります。
しかし、 頭痛にはさまざまな原因があるため、 「肩こりから来た頭痛」と 自己判断しすぎないことも重要です。
- 突然経験したことのない激しい頭痛が出た
- ろれつが回らない、顔や手足に麻痺が出た
- 歩きにくさや手の細かい動作の低下が進んでいる
- 腕や手の筋力低下が進んでいる
- 強いしびれが広がっている
- 大きな外傷後に強い首・肩痛が出た
- 発熱や強い全身倦怠感を伴う
- 原因不明の体重減少がある
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 症状が急速に悪化している
急な麻痺、言語障害、 これまでにない激しい頭痛などがある場合は、 肩こりとして様子を見ず、 速やかに医療機関へ相談してください。
西洋医学ではどう評価する?
まず、 肩こりが一般的な筋緊張などによるものなのか、 別の疾患に伴っているのかを考えます。
主に確認されること
- 症状が出ている場所
- 発症時期
- 首の動き
- 肩関節の動き
- 筋緊張や圧痛
- 腕・手の痛みやしびれ
- 筋力低下の有無
- 頭痛・めまいなどの随伴症状
- 外傷歴
レントゲンやMRIは必要?
肩こりだけですべての方に MRIなどが必要というわけではありません。
神経症状がある場合や、 頚椎疾患など別の病態が疑われる場合には、 必要に応じて画像検査が検討されます。
理学療法ではどう考える?
肩こりは運動した方がいい?
状態にもよりますが、 一般的な肩こりでは 適度な身体活動や体操が役立つ場合があります。
また、 長時間同じ姿勢を続けないことも重要です。
一方で、 手のしびれや筋力低下などがある場合には、 自己流で強い運動を行う前に 原因を確認することが大切です。
肩こりに鍼灸は有効?
首や肩周囲の痛みに対する 鍼治療を検討した臨床研究があります。
ただし、 対象となる症状や診断、 治療方法、比較対象などが研究ごとに異なります。
「肩こり」という日本で一般的な症状概念と、 海外研究におけるneck painなどが 完全に同じ対象とは限らないことにも注意が必要です。
したがって当院では、 「肩こりなら鍼で必ず治る」 とは説明しません。
原因疾患がないかを確認した上で、 痛みや不快感の管理、 筋緊張への対応などを目的として 鍼灸を検討します。
鍼灸でできること・できないこと
鍼灸で目指すこと
- 首・肩の痛みや不快感の軽減を目指す
- 筋緊張への対応
- 身体を動かしやすい状態づくり
- 睡眠・疲労など全身状態への配慮
鍼灸ではできないこと
- 頚椎の構造変化を元に戻すこと
- 重度の神経圧迫を物理的に解除すること
- 脳血管疾患などの緊急疾患を肩こりとして治療すること
- 必要な医学的検査・治療を代替すること
東洋医学ではどう考える?
東洋医学では、 同じ肩こりでも 身体状態をすべて同じとは考えません。
伝統的には、 気滞、瘀血、寒湿、 気血不足などの概念を用いて 身体全体の状態を整理することがあります。
東洋医学独自の身体観・分類方法です。
鍼灸治療院 寛ぎではどう考える?
当院では、 「肩が硬いから肩だけに鍼」 とは考えません。
主に確認すること
- 肩こりの場所
- 首の痛みの有無
- 首・肩の可動域
- 腕や手のしびれ
- 筋力低下の有無
- 頭痛・めまいなどの症状
- 肩関節の動き
- デスクワーク時間
- 睡眠
- 運動習慣
- ストレスや疲労
神経症状などから 医療機関での評価が必要と考えられる場合には、 鍼灸施術を優先しません。
自宅でできる肩こりケア
① 同じ姿勢を長時間続けない
仕事中でも定期的に 姿勢を変えることを意識します。
② 適度に身体を動かす
ウォーキングや軽い体操など、 無理のない範囲で身体活動を保ちます。
③ 温めて楽なら活用する
入浴や蒸しタオルなどで 楽になる方もいます。
④ 強すぎるマッサージを繰り返さない
強く押せば押すほどよいとは限りません。 痛みやしびれが増える場合には中止してください。
肩こりについてよくある誤解
「肩が硬いほど悪い?」
触った硬さだけで 症状の重症度が決まるわけではありません。
「姿勢が悪いから全部肩こりになる?」
姿勢は一つの要因になり得ますが、 肩こりを一つの姿勢だけで説明することはできません。
「ゴリゴリ揉めば治る?」
強い刺激を繰り返せば 必ず改善するという根拠はありません。
「肩こりは病院に行く必要がない?」
手のしびれ、筋力低下、 強い頭痛などを伴う場合には 医療機関での評価が必要になることがあります。
よくある質問
肩こりは温めた方がいいですか?
温めて楽になる場合には 入浴や蒸しタオルなどを利用できます。 ただし、急な外傷や強い腫れなどがある場合には 別の対応が必要です。
肩こりは運動不足が原因ですか?
運動不足が関係する場合はありますが、 それだけが原因とは限りません。 仕事環境やストレス、頚椎・肩関節の状態など 複数の要因を考えます。
肩こりで頭痛がします。鍼灸を受けてもいいですか?
状態によります。 急激に発症した強い頭痛や 神経症状を伴う場合には、 先に医療機関での評価を優先してください。
何回くらい鍼灸を受ければいいですか?
症状の期間、原因、 生活環境などによって異なります。 変化が乏しい場合には 漫然と続けず状態を再評価します。
関連する症状・疾患
名古屋市で肩こりにお悩みの方へ
鍼灸治療院 寛ぎでは、 肩の硬さだけを見るのではなく、 首の状態、腕や手の神経症状、 肩関節、生活環境などを確認します。
そのうえで、 東洋医学の気血・経絡・臓腑・陰陽なども参考にしながら、 身体全体の状態を確認します。
全身鍼灸
90分程度 / 11,000円(税込)
美顔鍼付き
参考資料・ガイドライン
・日本整形外科学会
「肩こり」症状・病気をしらべる
・日本整形外科学会
肩周辺の症状・疾患に関する一般向け資料
鍼灸のエビデンスについて
首・肩周囲の痛みに対する鍼治療の臨床研究はありますが、
対象疾患・研究方法・比較条件などが一定ではありません。
また「肩こり」と海外研究で扱われるneck painは
完全に同一の概念ではないため、
結果の解釈には注意が必要です。
※本ページは医学情報の提供を目的としたもので、 個別の診断を行うものではありません。 急な麻痺、言語障害、 これまでにない強い頭痛、 進行する筋力低下などがある場合には、 速やかに医療機関へご相談ください。